世界の多様な言語文化を守る
米Googleが現地時間の21日、世界において絶滅の危機にある言語を保存するための新プロジェクトを開始したと発表した。「Endangered Languages Project」と名付けられた公式サイトが公開されている。
近年、急速なグローバル化にも伴って、多くの地域特有の言語が消滅の危機にある。話し、理解することのできる世代がいなくなっているのだ。こうした絶滅危機の言語は、数にすると全言語の半数を占めるという。言語はその文化においてきわめて重要な役割を果たすものであり、その消滅は言語のみならず、文化自体の継承を著しく困難にしてしまう。言語の保存は、世界の多様性を維持するうえで、非常に重要だ。
インターネット普及の負の側面でも
Googleの公式ブログでは、アメリカ中西部のネイティブアメリカンの言語を一例として挙げ、その最後のネイティブスピーカーが1960年代に死亡したことを伝えている。同様の状況に置かれている言語が、現在世界に3000以上あるそうだ。そこから失われてゆくものの大きさは計り知れない。
プロジェクトは今後、数か月内にその統括を専門家にゆだねるとしている。具体的には、先住民族文化評議会が活動面の指揮をとり、東ミシガン大学の言語情報技術研究所が技術管理を行うという。
社会貢献活動として行われているこのプロジェクト。Googleもまたその大きな役割を果たしたインターネットの普及は、世界において英語を中心とした主要言語の優位性、必要性を色濃くし、地域少数言語の絶滅をはやめたという負の側面をもっているともいえる。
よって、こうした活動を起こすことは、インターネット界を率いる存在として行うべきサポートであり、評価できる行動といえるだろう。
Google Official Blog
http://googleblog.blogspot.jp/2012/06/endangered-languages-project-supporting.htmlEndangered Languages Project
http://www.endangeredlanguages.com/