卒業生の85%がCIA、NSAへ
ハッキング、パスワードのクラック、コンピュータウイルスの書き方……そんなサイバー犯罪のテクニックを教える大学があるという。米オクラホマ州の
Tulsa大学サイバー科だ。LA Timesが22日、報じた。
もちろん、そこは犯罪者の養成学校ではない。卒業生の就職先はCIA、NSA(米国家安全保障局)、FBIなどだという。
サイバー科のSujeet Shenoi氏は、教え子の実に85%をCIAとNSAに送り込んでいる。その授業は実践的。生徒を大学内の警察実習室に配属させ、壊されたデジタルデバイスから証拠を見つけ出す実習などを行なう。生徒の中には子どもになりすまし、児童性愛者をおびき寄せるものもいるという。
[Tulsa大学内McFarlin図書館 by
bburky]
現実の犯罪に協力、成果あげる
2003年には、生徒たちが現実の犯罪において、加害者と被害者を結びつけるメールをクリックし、捜査に協力した。また2007年、カリフォルニアで行なわれた電子投票システムのセキュリティをチェックするテストでは、サイバー科の生徒はシステムのハッキングに成功。ある生徒は、Bluetooth対応の市販のデバイスで、投票マシンのすべての票を書き換えることができることを証明したという。
さらに、サイバー科にはアメリカ合衆国シークレットサービス(USSS)からも依頼が来るという。これらの実践を通じて、サイバー科は燃やされたり、大きなダメージを受けた携帯電話などからデータを抽出する技術の開発にも成功している。
アメリカはサイバーセキュリティに年間30億ドル(約2500億円)を費やしているという。ペンタゴン(国防省)はサイバー空間でのオペレーションを指揮できる優秀な“サイバー戦士”を必要としている。Tulsa大サイバー科はその需要に応えている。
Los Angels Times:Cyber Corps program trains spies for the digital age
http://www.latimes.com/news/nationworld/nation/