“帰化”の手続きに落とし穴
ロンドン五輪のマラソン競技でカンボジア代表に選出されたお笑い芸人
猫ひろし。周知の通り、カンボジア国籍を取得し、代表の座を射止めた。
現在、猫ひろしの記録を上回るヘム・ブンティン選手が現れ、五輪出場が危ぶまれる事態に陥っているが、仮に無事、五輪出場を果たせたとして、さて、その後である。日本で再び芸能活動を再開するにあたり、猫ひろしは日本国籍に戻るのか、戻れるのか。この点に関し、「弁護士ドットコム」は、ずばり「難しい」と報じた(4月25日)。
記事によれば、理由は次のようになる。自ら日本国籍を失った場合は、外国人が「帰化」するのと同様の手続きが必要。その条件は、
・日本に最低5年引き続いて住んでいること
・素行が善良
など、比較的容易。その後、法務大臣によって帰化(国籍変更)の理由が「適切」と認められれば手続き完了となる。
しかし、ここに落とし穴がある。すなわち、猫ひろしの例を認めると、
(これを)前例として今後もオリンピックなどの国際大会のために一時的な国籍変更を行なう者が続く可能性がある
ため、
法務大臣は慎重になるのではというのである。自ら失った国籍を取り戻すのは、一筋縄では行かないようだ。
冷ややか、ネットの反応
これに対し、ネット掲示板の反応は、
・自業自得だな
・国籍ってのは、もっと重たいものだよ。
・国籍をお笑いの踏み台にしたんだから当然だろう。
・オリンピックカンボジア代表の名誉を背負ったんだから生涯カンボジア人として国家国民に貢献するのは当たり前
と厳しい。
一方、猫ひろし本人は、
「カンボジアには住みたくない……」
ともらしており、そもそも五輪出場は、
「話題になって芸人の仕事が増えるから」
と、自ら語っていたという(日刊サイゾー、22日報)。これでは、日本国籍に復帰できなくても、同情の余地なしといったところか?(文中敬称略)
弁護士ドットコム:カンボジア人になった猫ひろし 二度と日本国籍に戻れない可能性
http://www.bengo4.com/topics/10日刊サイゾー:「最初から売名目的だった」マラソン五輪代表問題が暗礁に乗り上げた猫ひろしの本音
http://www.cyzo.com/2012/04/post_10432.html