独自の地図アプリ開発を急ぐアップル
9TO5Macは、10月29日、米
アップルがスウェーデンの3Dマップ製作会社「
C3 Technologies」を買収したことを伝えた。
アップルは現在、
Googleの地図アプリを採用しているが、09年には地図ソフト開発会社「
Placebase」を、さらに昨年の夏に3Dマップ製作会社「
Poly9」を買収しており、独自の地図アプリ開発を目指していることは明白となっている。
そしてこの夏、
アップルにとっては2社目となる3Dマップ制作会社「
C3 Technologies」(以下、
C3)を買収するに至った。記事によれば、すでに
C3のCEOやCFO、プロダクト・マネージャーらが、
アップルの
iOS部門で働いているという。
驚異的な3Dマッピング技術
C3の3Dマッピング技術は驚異的だ。言葉で説明するより、とにかく下部のビデオで実際の映像をご確認を!ニューヨークのマンハッタンが非常に精細に3D表示されている。“地図”というよりも、もはや航空機からその街並をそのまま眺めているかのようだ。同社の3Dマップの特徴は、建物はもとより
街路樹などの小さな物体まで、すべてが3D化される点。また、その画像が写真並みのクオリティー(photo-realistic)を持っている点だ。
C3は、07年、スウェーデンの航空宇宙・軍需品会社「
Saab AB」から独立した。すなわち、
C3の3Dマッピング技術は、本来、機密レベルの軍事技術だった。
C3の3Dマップ開発には、ミサイルのターゲット・システムが応用されている。それをふまえると、同社の3Dマップの高精細画像には納得がいくだろう。
Saab AB社がアップしている、3Dマップ製作のプロセスを解説するビデオも下部に掲載しておくので、ご参照を。
iOS6でお目見えか?
この驚異的な3Dマップがいつ
iOSに採用されるのか、それはまだ分からない。しかし、9TO5Macは、
アップルが企業買収をするときには、明確なゴール、その技術を自社製品にどのように取り込むのか、はっきりしたビジョンを持っていると指摘している。
その直近の例として、
iPhone4Sで採用され話題となった音声アシスタント「
Siri」を上げる。
アップルは「
Siri」の開発会社を買収、わずか1年後に
iPhoneアプリとして投入した。それを考えると、
C3製のハイクオリティーな3Dマップが
iPhoneや
iPadに搭載される日も遠くはなさそうだ。楽しみである。
9TO5 Mac
Apple acquired mind-blowing 3D mapping company C3 Technologies, looking to take iOS Maps to the next level[驚異的なリアリティー!ニューヨークの3Dマップ][C3 Technologiesの3Dマッピング技術][iPad上でのC3の3Dマップデモンストレーション]