人間並みの正確さで瞬時にテキスト内容を理解!
米Facebookは現地時間の6月1日、ディープラーニングを用いたテキスト理解エンジン「Deep Text」を発表した。従来の自然言語処理とは異なり、ディープラーニングのアプローチでテキストを理解するものとすることで、ほぼ人間並みの正確さで瞬時にその内容を理解することができるようになったとしている。
この「Deep Text」は、20カ国語以上の言語に対応し、1秒あたり1,000件の投稿に含まれるテキスト内容を、人間に近い正確さといえる高度な理解力をもって把握できる。Facebookではこの「Deep Text」を、すでに自社のSNS「Facebook」上に存在する世界各国の言語が用いられた膨大な量のテキストコンテンツデータを分析するため、試験的に利用を開始し、活用しているという。
Facebookにおける投稿など、人々が発信する膨大なテキストは、世界各国のさまざまな言語で記されるだけでなく、スラングが用いられたり、本来のスペルとは異なるものがあえて使用されたりと、コミュニケーションシーンに合わせ、多様なかたちで表現されたものとなっている。
これらは言語文法的に正しいものとは限らないため、自然言語処理に依存するよりも、ディープラーニングを活用して処理する方が適している。また、ディープラーニングを用いた方が、結果的に多様な言語への対応を素早く実現させられることにもなることから、Facebookでは「Deep Text」の開発を進めているという。
ユーザー体験の向上につながるエンジンへとさらなる改善・活用を目指す方針
「Deep Text」は、すでに「Messenger」などの一部アプリで試験導入されており、「I need a ride」「Take a cab」「Let's take a ride there」「Take a taxi」といった、タクシーを手配したいときの多様な表現を投稿すると、「Request a Ride」として、タクシーを呼ぶためのツールが表示される仕組みが紹介されている。
Facebookは発表資料で、「Facebook」上でのテキストにおけるさまざまな表現方法を分析・理解する「Deep Text」のようなエンジンは、ユーザーが求めるものに合致するコンテンツを正しく表示することにも、スパムのような不適切コンテンツを除去することにも役立ち、ユーザー体験をより向上させられると説明した。
同社では、「Deep Text」のさらなる開発と活用を推進していく方針で、視覚的にコンテンツを理解することを目的に研究を行うAIリサーチチームと協力して投稿に関する理解力をアップさせていくなど、新たなディープラーニングアーキテクチャの構築を目指すともした。
また、多層ニュートラルネットワークのアーキテクチャ関連でも研究を進めるとし、双方向リカレントネットワーク(Bidirectional recurrent neural nets・BRNNs)についての紹介も行っている。
(画像はプレスリリースより)
Facebook 公式ブログ 該当発表記事(プレスリリース)
https://code.facebook.com/posts/181565595577955/