最終調整中との報道流れる
NECが中国のパソコン最大手企業であるレノボ・グループ(Lenovo)と、スマートフォンなどを中心に、モバイルの製造・販売を行う新会社を共同出資で設立する方向で最終調整に入っているという。3日、読売新聞や中国のニュースサイトなどが報じた。
報道によると、今月中にも合意する見通しだという。NECがレノボと携帯電話事業における統合交渉を進めているという報道は、3月末にもあり、このときには、NEC幹部の話として、国内企業を含め、他社との交渉の選択肢を捨てたわけではないとのコメントが出ていた。それから2カ月あまりを過ぎ、やはりレノボと組む方向で、交渉・調整が進んだ可能性がある。
NECは販売体制強化、レノボはパソコン販売鈍化からの復活目指す
NECとレノボは、これまでも連携を強めてきており、2011年には個人向けパソコン事業を統合、現在パソコン事業はレノボが51%、NECが49%出資というかたちになっている。
NECはカシオ計算機、日立製作所と設立した子会社の「NECカシオモバイルコミュニケーションズ」でモバイル事業を手がけてきたが、苦戦が続いている。新会社設立により、中国のスマートフォン市場で2位にあるレノボと共同で部品調達や開発・生産を進めていくことで、販売体制を強化したい考えがある。
一方、レノボでもパソコン販売が鈍化してきており、NECの技術力も活かして、スマートフォンの販売拡大を目指し、上向き転換を図りたい方針とみられる。なお、3日昼の現時点では、この件に関し、NECとレノボのいずれからも正式なコメントは出されていない。
報道の通り、共同の新会社設立となれば、業界に大きな影響を与えるものとなるだろう。NECのみならず、国内モバイルメーカーの多くで、近年不振が続いており、今後これをきっかけに再編が進む可能性も否定できない。
YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/index.htmNEC
http://jpn.nec.com/Lenovo
http://www.lenovo.com/jp/ja/