字幕を表示し、よりダイレクトにオペラの世界を体感
セイコーエプソン株式会社は25日、公益財団法人新国立劇場運営財団、株式会社電通国際情報サービス、Zimakuプラス株式会社と共同で、エプソンの新型スマートグラス「MOVERIO BT-200」(モベリオ)を用いたオペラ公演における実証実験を実施すると発表した。実験は2月28日から3月2日まで、新国立劇場オペラ研修所公演で行われる。
演目は、リヒャルト・シュトラウスのオペラ「ナクソス島のアリアドネ」(全2幕・ドイツ語上演)。新国立劇場・中劇場で、約2時間30分(休憩1回)の上演予定となっている。
この上演がドイツ語であるように、一般的にオペラはイタリア語やドイツ語などの言語で歌われる。そのため観劇の際には、舞台脇などに設置される日本語訳の字幕を見ることで、せりふや歌詞、物語を理解しながら楽しむという人も少なくない。しかしこの方法では字幕を見るたびに視線をそちらへ外さなければならず、舞台から生み出されるオペラの世界への没入感が損なわれてしまうという課題があった。
(画像はニュースリリースより)
眼鏡のように装着、シースルーで舞台を見ながら同時に字幕も
そこで、こうした課題を解決する新たな鑑賞方法として、その実用可能性を検証すべく実施されることとなったのが今回の実証実験だ。
「MOVERIO BT-200」は、4月24日発売予定のエプソンによる新型スマートグラスで、小型・軽量ながら、大画面で映像や音楽、ウェブコンテンツを視聴することができるもの。両眼シースルー、ハンズフリー、各種センサーを搭載しており、周囲の様子を確認しながら、実際にある目の前の景色と映像を重ね合わせた迫力ある拡張現実を体験することを可能にする。さまざまなアプリケーションをインストールすることで、より多用途に使用できるという。
実験では、この「MOVERIO BT-200」を対象となるオペラの観客の一部に貸し出し、眼鏡のように装着するだけで、シースルーに映し出される字幕表示での鑑賞を体験してもらう。この方式であれば、舞台の好きなところを見ながら同時に字幕も見ることができ、よりなめらかにオペラ世界へと入っていくことが可能になると期待されている。
なお、今回の実証実験被験者は、新国立劇場友の会会員や劇場関係者に限られており、一般参加は受け付けていない。
セイコーエプソン株式会社 ニュースリリース
http://www.epson.jp/osirase/2014/140225.htmMOVERIO 製品情報
http://www.epson.jp/products/moverio/