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2024年10月07日(月)
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農作業者の健康・労務管理を支える!CTCがIoTソリューションを開発

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農作業者の健康・労務管理を支える!CTCがIoTソリューションを開発

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富士通「ユビキタスウェア」を活用して開発
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)は9日、農作業者の健康・労務管理や生産性の分析を実行するIoTソリューションを開発したことを発表した。農作業に従事する人が身につけた専用センサーで、動作や身体の状態に関するデータを取得し、健康状態のチェックや適正な労務管理に活かす。また、取得されたデータと作業記録との相関分析により、現場の働きやすさや生産性アップにもつなげていきたいとしている。

農業分野ではあまりIT導入が進んでいないケースが多いが、次世代においても継続可能で、発展していくことができるものとし、安定した生産性を保たせるには、今後積極的な活用が欠かせないとみられている。

とくに繁忙期において、人手不足を補うために、普段農作業に従事していないスタッフが、短期的に農作業支援を行う場合、なかでも夏場、高温多湿な環境となるビニールハウス内で作業するといったケースでは、熱中症予防を含め、細やかな健康管理が重要になる。現場管理者は、複数の作業場で別れて働いている個々の農作業者の体調管理に常に気を配らなければならず、無理なく行える健康・労務管理、安心して作業できる環境の構築が課題となっているという。

CTCではこうしたニーズと課題、社会的背景を踏まえ、農作業者を支援する健康・労務管理IoTソリューションを開発した。このソリューションにおけるセンサーには、富士通株式会社のIoT製品「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE(以下、ユビキタスウェア)」の「ユビキタスウェア センサーアルゴリズム」、「ユビキタスウェア バイタルセンシングバンド」、「ユビキタスウェア ロケーションバッジ」が採用されている。

ユビキタスウェア
静岡の農園で実証実験を実施、生産量予測の精度改善へ
「ユビキタスウェア バイタルセンシングバンド」では、心拍数や温度、活動量、湿度などのほか熱ストレスや身体負荷、転倒・転落の検知などが行え、これら身につけている作業者のデータを遠隔から把握することが可能になる。事前に設定した通知条件を満たした場合に、管理者へアラートを自動通知する機能もあり、積極的な休憩の促進や事故発生時の速やかな対応にも活かせる仕組みとなっている。

また「ユビキタスウェア ロケーションバッジ」では、位置情報のほか移動軌跡、ジオフェンスデータなどの取得が可能だ。これらデータをもとに、日々の作業を管理し、従業員の満足度向上と安全性を高めることが可能になるほか、業務日誌や作業実績などの業務データと掛け合わせた相関分析を実行すれば、生産性・効率性アップにつながる未来予測も可能になると見込まれる。

CTCでは、この健康・労務管理IoTソリューションについて、今年8月22日~9月23日の期間、静岡県浜松市南区の京丸園株式会社 浜松農園で実証実験を行った。現場管理者4人、作業者12人の協力を得て、「ユビキタスウェア」の動作検証とシフト管理表・業務日誌・収穫実績といった作業記録データとセンサーデータとの相関関係分析による業務効率化や生産性向上との関連性に関する検証を実施したそうだ。

実証実験では、動作データとして身体姿勢や転倒、歩数データを、身体データとして心拍数、身体負荷、熱ストレスなどを、ロケーションデータとして位置情報や移動軌跡などを取得、これらデータ収集が確実に行えることや、熱ストレスや身体負荷などでのアラート自動通知の有無・作動状況を確認できたという。

作業の内容や経過時間、連続勤務日数と、身体負荷および熱ストレスとの相関関係も確認できたほか、それをもとに、とくにストレスのかかる作業など適切な作業配分の計画、作業が連続する際の休憩取得タイミング、連続勤務日数の限度設定などを個人ごとに算出・管理することも行われている。

さらにセンサー取得データ、業務データと気温・日照時間・湿度などの環境データを取り込んだ機械学習によって、農作物の成育予測モデルを構築することにも成功している。

CTCでは今後、こうしたトライアルを実施する対象施設を拡大し、農作業者の安全管理と作業効率化を実現するソリューションを確立、2017年度にもサービスとして実用化し、提供を開始する予定だ。

また、データの蓄積を通して農作物生産量を予測する機械学習の精度を高め、ソリューションの改善につなげていく取り組みを継続することも発表されている。将来的には農作業領域だけでなく、健康・労務管理が課題となっている他の業態へも展開させていく方針で、幅広い分野への応用を目指すとした。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 プレスリリース
http://www.ctc-g.co.jp/news/press/20161209a.html

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