福岡市で国内初の大規模実証実験を実施
株式会社NTTデータと株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社unerry、株式会社アイリッジは6日、同日より3月末までの期間、ビーコン位置情報を活用したマーケティング実証実験を、福岡県福岡市を中心としたエリアで実施すると発表した。約3,000箇所のビーコン位置情報を用い、2,000人程度のモニターを対象として実施する大規模実証実験で、こうした取り組みは国内初のものになるという。
今回の実証実験は、NTTデータが昨年10月に立ち上げた、ベンチャー企業らをつなぐ金融分野のオープンイノベーションラボ「BeSTA FinTech Lab」の取り組み施策のひとつとして位置付けられているもの。
スマートフォン向けアプリなどと連動する近距離無線規格デバイスであるビーコンの社会基盤としての有用性を検証するとともに、ビーコンの位置情報分析サービスを本格的に事業化することを目指し、課題を抽出していくことを目的としている。得られた実験結果は、所管官庁が進めるIoT推進などの分野における各種施策提言にもつなげていく方針だ。
実証実験では、NTTデータが提供する「ビーコン活用サービス調査アプリ」と、unerryのビーコンシェアプラットフォーム「BeaconBank」に登録されたデータを用い、アプリユーザーのスマートフォンへとキャンペーン情報やクーポンのプッシュ通知を実行する。
「BeaconBank」のデータには、市内各所の小売店、量販店、専門店、駅などに設置されているビーコンアンテナによって検知された実証実験モニターの位置情報履歴が含まれ、この位置情報と親和性が高いと判断されたキャンペーンなどが個々に抽出され、タイムリーに適切な情報が配信されるものとなる。
いつもと同じようにスマホをもって歩くだけ!お得な情報がすぐに舞い込む!
モニターとして参加するユーザーは、まず実証実験用のアプリ「ビーコン活用サービス調査アプリ」をスマートフォンにインストールする。あとはいつもと同じように、スマートフォン端末を持ち歩き街中を移動すると、さまざまなポイントに設置されたビーコンが位置情報を検知、自動でメッセージやお得なキャンペーン情報が受け取れるようになる。
情報配信は移動中のその場で、または検知した位置情報履歴の条件に基づいてなされ、ユーザーの移動によるビーコン検知履歴はデータとして集計される。分析段階においては、告知したキャンペーンの通知開封状況など展開結果や、ビーコン検知履歴の点と線を結んだユーザーの行動導線解析などを実施する。
最終的にキャンペーンの集計結果と行動導線情報をクロスさせた位置情報と施策効果の相関分析による検証を行うほか、アプリとビーコンアンテナとの技術的接続のチェックなどを行い、こうしたビーコン位置情報を活用するマーケティング事業の実現可能性や課題を確認するという。
なお今回の実証実験におけるモニター募集、クーポンやキャンペーン情報の配信には、株式会社西日本シティ銀行や株式会社西鉄ストアがパートナーとして参画する。
現在、ビッグデータを活用した市場アプローチは多様な進化の途上にあり、今後さらなる広がりが予測される。今回の実証実験のように、場所と高さ(建物の階数)を計測できるビーコンは、位置情報を時系列で集計し顧客の生活導線といったデータをマーケティングに活用することができる点で、大きな可能性を秘めていると考えられている。
(画像はプレスリリースより)
株式会社NTTデータ ニュースリリース(プレスリリース)
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