次世代7nm半導体チップを採用、健全な仮想通貨運用で新たな経済圏を
GMOインターネット株式会社は7日、仮想通貨の採掘(ビットコインマイニング)事業に参入することを決めたと発表した。2018年上半期を目処に、北欧へ「次世代マイニングセンター」を設置、本格的なスタートとする。
参入決定にあたりGMOインターネットでは、これまで同社が培ってきたネットインフラ事業やネット金融事業のノウハウを活かし、世界における価値取引の境界線をなくした、中央機関に依存しない“世界共通の新通貨”であるビットコインの健全な運用と新たな経済圏の発展を支えていきたいとしている。
近年、インターネットは情報だけでなく、通貨のデジタル化を進めるものとなり、ビットコインなどブロックチェーン技術による仮想通貨を生み出すに至った。仮想通貨は、通貨としての価値のやりとりにおける世界の境界線を取り除き、従来の法定通貨でかかっていた国際送金および決済時の時間やコスト、手間を削減、世界の誰もが、場所にとらわれることなく瞬時に価値交換取引を行えるものとする。
透明性が高く、特定の機関が介入しないものとなるため、政情不安定で資産と文化的生活の確保が難しい地域の人々を救う鍵になるといった考えもあり、真に自由な取引が行える世界共通の新通貨に発展する可能性もあるとされる。
だが、こうしたビットコインなどの発展・普及には、越えなければならないハードルも多く、まず通貨としての信頼性担保が最重要課題となる。これまでの通貨が発行体の信用力で成立する「中央集権型システム」であるのに対し、ビットコインはネットワークの参加者が相互に監視することで信用を担保する「分散型システム」で、これに基づく運用には「マイニング」作業が不可欠となる。
クラウドマイニング事業の開始や次世代マイニングボードの販売提供なども予定
ビットコインなど仮想通貨のマイニング事業では、高度かつ膨大な計算処理が安定的に行えなければならないため、それに耐えうるコンピュータと、その稼働・冷却が行える十分な電力の確保が欠かせない。
そこでGMOインターネットでは、半導体設計技術を有するパートナー企業とともに、最先端の7nmプロセス技術を用いた半導体チップの研究開発を進め、高性能コンピュータ(マイニングボード)の実現を図る。あわせて電力供給面から、再生可能エネルギーの豊富な北欧に「次世代マイニングセンター」を設置、地熱と水力を用いたクリーンで安価な電力を調達して、コストを抑制しながら施設運営を行っていくとする。
現段階の構想では、ハードウェアは単体スペックで、500W以下の消費電力ながら10TH/sの計算性能を備え、マイニングチップは50,000チップから段階的に増強、計算総パワーとして500PH/sを発揮するものにするという。
時期は未定ながら、今後は個人や事業者が手軽にマイニングへと参入できる「クラウドマイニング事業」の開始も予定している。「次世代マイニングセンター」の設備資金をユーザーから調達するとともに、その収益を配分する仕組みで、限られた投資額でも、「次世代マイニングセンター」がマイニングに成功して報酬のビットコインを得られた場合には、投資に応じた分配が参画ユーザーへとなされるようになる。
また完成したマイニングチップを搭載する次世代マイニングボードは、「次世代マイニングセンター」で活用するだけでなく、一部外部への販売・提供を行うことも検討されている。
さらに、マイニングされたビットコインなどの仮想通貨を、連結グループ会社で仮想通貨交換業の登録も申請中のGMOコイン株式会社へと供給する予定で、GMOインターネットグループ全体で、仮想通貨市場の多様性や発展、リクイディティ向上に寄与していきたいともした。
(画像はGMOインターネット株式会社ホームページより)
GMOインターネット株式会社 プレスリリース
https://www.gmo.jp/news/article/?id=5775